昭和23年、徳島医科大学が誕生し、昭和24年7月に初代竹林弘教授によって外科学講座は開講されました。機能的脳外科の先駆者で、T-Tomie(竹林のT)という不随意運動の手術療法を考案されました。

昭和24年8月、台北帝大の助教授をされていて終戦とともに引き上げてこられた橋本義雄先生が第2代教授に就任。外科学全般に加えて整形外科学、脳神経外科学の講義も行われ、特に血管外科におけるBurger病の講義には定評がありました。また、血管外科と関連して血管造影法に関する輝かしい業績を残されました。

昭和29年、第3代目田北修平教授が就任。イレウス、腸管癒着症など消化管運動、平滑筋の生理を中心に多くの研究業績を残されました。教室として心臓外科、脳外科と広い分野を手がけられ、心細動、低体温、脳外傷の研究など多岐にわたる研究成果が積み上げられました。また、消化性潰瘍の外科治療として迷走神経切離術をいち早く取り入れられ、この方面での研究をリードされました。

同年、第二外科が開講し、昭和24年に開講した外科学講座が第一外科ということになりました。

昭和47年、第4代目古味信彦教授が就任。膵管胆道合流異常診断基準検討会(現日本膵管胆道合流異常研究会)を創設し、以来全国の膵管胆道合流異常の症例を集積しています。また、合流異常の形態について新しい古味分類を提唱し、中華人民共和国との共同研究も行いました。さらに、教室として外科代謝・栄養管理、癌免疫、癌化学療法と感受性、消化性潰瘍と迷切などの研究が活発に展開されました。

平成6年、第5代目田代征記教授が就任。血管外科・移植外科を応用した消化器外科手術を積極的に導入され、着任後早々に右房・下大静脈へ伸展した肝癌の手術や、翌平成7年3月には四国で初めての生体部分肝移植術を成功させました。研究面では、肝・小腸・膵島移植における免疫寛容、肝胆膵外科領域における臓器保護や肝再生、消化器癌の肝転移・リンパ節転移の分子生物学的早期診断などを指導されました。

平成14年4月1日、徳島大学医学部第一外科教室から徳島大学医学部器官病態修復医学講座臓器病態外科学分野に名称が変更されました。

平成16年4月1日、徳島大学大学院医歯薬学研究部臓器病態外科学分野に名称が変更され、島田光生教授が就任。新たな指導者の下、さらにすばらしい教室を作るためみんなで力をあわせ頑張っています。