スウェーデン留学記〜日々雑感

カロリンスカ医科大学には一学年約200名の学生が在籍しており、カロリンスカ研究所に隣接した大学で、勉学に励んでいます。臨床実習は4つ大きな付属病院に分かれて行われます。正規のカリキュラムとは別に、各科が5年生、6年生を対象に特別実習コースを設けており、移植外科では「外科基本手技」コース開設しております。小生はこの実習を担当させていただいております。
内容は「外科基本実習」なので、日本の学生実習と同様、基本的な糸結びと縫合の実習ですが、糸結びひとつにしてもお国柄が出ていて、なかなか勉強になるコースです。日本では、糸結びの基本は「両手結び」で、「片手結び」など研修医時代にしようものなら先輩医師に「百年早いわ」とよく言われたものです。しかしながらこの「両手結び」は日本とアメリカに多く、ヨーロッパではまず「片手結び」が基本だそうです。
このコースは非常に人気があります。2日間の基本実習の後、ブタ一頭を使った手術実習があるからです。スウェーデンの学生は非常に積極的で、良く言えば試行錯誤を繰り返して自分で納得して次へすすむ、悪く言えば詳しい説明はほとんど聞かない。まずやってみるが信条のカロリンスカ学生もさすがに、手術実習ではちょっとトライ、というわけには行かなかったようです。